新築施工例 New Works
我が家(実験住宅)
松本市
こだわりのポイント
実物大実験住宅としての位置付けであり、
我が家の発展・進化形が現在の自社仕様となっています。
設計コンセプト
- コンクリート打ち放しの“冷”と、無垢材の“温”の調和。
- 3階建の圧迫感を感じさせないため奥行のある外観とした。
- リビングを中心に各部屋を配置することや大開口を設ける事により明るい空間とした。
- ガレージから直接室内にアプローチ出来る計画とすることで雨風に配慮すると共に、搬入動線をスムーズにした。
- 深夜電力を利用した電気温水蓄熱器で、全館暖房と給湯を行うシステムを採用し冬季の快適さを求めた。
- 決して広くない敷地に作業場、倉庫及びガレージを設けるため3階建てとした。(一般住宅において、3階建てを勧めるものではございません)
施工コンセプト
- 県産材に徹底的にこだわり、自ら伐採、製材、乾燥まで立ち合い材料調達を行った。
- 木材の有効利用を目指し、材木中心から柱材を、周辺材からフローリング材を取る等して1本の木を無駄なく利用する事に心掛けた。
- 構造体に伝統的な継手を採用するために、工場生産ではなく、手刻みにて組み上げた。
- 大黒柱を取り巻く螺旋階段を木製とするための強度の工夫と施工技術。
- 施工業者さんの意見を広く取り入れて、意匠だけにとらわれないようにした。
実際に生活してみて分かった良い点
- 5年経った今でも木の香りや温もりが伝わってくる癒しの効果を感じる。
- 螺旋階段を含めてオープンなスペースとした事で、子供達には公園のような感覚で大好評。
- インナーガレージは、天気や寒さを気にせず出かけられ、車も汚れないため敷地に余裕があれば絶対お勧め。
- 構造計算に基づいた耐震計画がされているため地震に対して安心。
- 2、3階の居住空間は約35坪であるが、家族4人(夫婦・子供2人)で住むには十な広さである。敷地面積や予算によっては、プランニング次第でもう少しコンパクトに収めても良いかと思います。
改善した方が良い点
- 室内の明るさにこだわり過ぎたため、夏季の日照・日射が必要以上に室内に入る事。
又、断熱性能が良い為室内の熱気が抜けず熱い。
→対策:軒の出や庇による日照・日射の調節。通風に配慮した窓計画。 - 隙間なく施工でき、施工者の精度にあまり左右されないウレタン吹付断熱材を採用したが、防音効果に欠け、外部の音が思った以上に気になる。
→対策:高性能グラスウール等の防音・吸音効果のある材料を丁寧に施工する。 - 外壁仕上げの下地にセメント板(サイディングのようなもの)を採用したがセメント板のジョイント部分の各所にクラックが発生してしまった。
→対策:伝統的な工法であるモルタル下地を技術のある左官職人が施工する。クラックが入ることもあるが、ボード系に比べれば補修も容易。 - 外部の木材には耐久性の高いヒノキ材を採用し、キシラデコール塗装で対応しているが、雨が当たる場所は劣化が著しい。
→対策:出来ればウッドデッキ、ウッドバルコニー、外壁板貼り部には屋根や庇を掛けて雨が直接当たらないようにしたい。又、外壁板張り部は日射により、反り・割れ・縮みが発生するため、特に注意が必要。どんな状況であれメンテナンスは必至。 - 全館暖房は、発熱体(パネルヒーター等)を必要以上に組み込み過ぎたため、快適さと引き換えに、ランニングコストがかかってしまった。
→対策:断熱施工をしっかりと行い、窓や庇によって日照・日射のコントロールが出来た住宅であれば過剰なシステムは必要ないと考えます。蓄熱暖房器や高効率の家庭用エアコン、ストーブやコタツでも十分です。
今後も施工物件ごとに、お客様の実際住んでみた感想を頂き、常に“通常進化型”として
発展して参りたいと思っております。
【SPEC】外部仕様
構造:鉄筋コンクリート・木造混構造(柱:ヒノキ4寸角 桁:米松)
屋根:ガルバニウム鋼板縦平葺き
外壁:ジョリッパト(アイカ工業) コテ塗
バルコニー:木製(ヒノキ)
【SPEC】内部仕様
床:カバザクラ、ヒノキ、タガヤサン(鉄刀木)
枠等:ヒノキ
天井:杉、レッドシダー、ヒノキ
階段:赤松
カウンター等:ナラ、サクラ、クリ、ヒノキ等
壁:シルキーパレット(アイカ工業)、クロス貼り
建具:製作建具(米杉、シナ)
塗料:リボス自然塗料
【SPEC】断熱仕様
屋根:ネオマフォーム(旭化成建材)
壁:現場発泡ウレタン
床:スタイロフォーム(ダウ化工)
【SPEC】暖房仕様
ウェルエコシステム(エナーテック)
パネルヒーター(ピーエス)